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【マイ・4K UltraHD Blu-ray・コレクション】 【思い出映画】 ◇香港ノワールという言葉を生んだ映画◇ 本作を最近になって初めて観た人には、いろいろベタで陳腐な感じにも受け取られてしまうかもしれないし、それはしかたないことだとも思う。 がしかし、本作は間違いなく香港映画におけるエポックメイキングな1本、のみならず私にとってもエポックメイキングだった。 なぜなら、この『英雄本色』を観るまで、香港映画といえばほぼジャッキー・チェン一択だったから。 当時、監督のジョン・ウー、そして主演のひとりチョウ・ユンファは共に【うだつの上がらない】映画監督と役者(チョウ・ユンファにいたっては興行成績の癌とまで揶揄されていた)だったが、そんな二人の、 “このままこんなどん底で終わってたまるか!” という想いが反映されたような本作が公開されたその翌日、二人の男は香港の大監督と大スターになっていた。 私も本作でチョウ・ユンファとジョン・ウーの大ファンになり、彼らの映画をひたすら追いかけた。懐かしい思い出だ。 本作そのものについて触れておくと、物語の真の主人公はチョウ・ユンファが演じたマークではなくティ・ロン演じるホー。彼の哀愁漂う背中が観る者にエモーショナルな余韻を与えてくれている。 もちろん、在りし日のレスリー・チャンの存在も絶対に忘れるわけにはいかない。
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