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まず、レビューサイトを見たら「意味がわからない」「バカばっかり」というような意見が多くて、驚いた。 自分に存在価値を見出せないことはとてもつらい。未成年がふらふらしているのに、誰も気にしない。連れ戻しにくる人もいない。きっとルイもアマも、家族から存在意義を与えられなかったのだと思う。だからこそ奇抜なファッションをして、ルイは自分の中の、からっぽなところを埋めたかった。 たとえそうでなくとも、この「意味がわからない」という多くのレビューは、マイノリティに対する無関心、世間一般から外れた者への無許容のあらわれだと思う。それが、あの刑事たちの態度によく出ている。 この映画におけるスプリットタンや刺青は、単なる若気の至りではなく、何者でもない自分への不安の象徴として存在している。 だからこそ、ルイはあの場から離れられない。刺青をいれても、ピアスホールを拡張しても、心の空洞は埋まらないから。 それにしても、ちょっとダメな男を演じる高良健吾はなぜこうもかっこいいのか。
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