
uboshito
Revelation
Avg 2.9
Apr 06, 2025.
ヨン・サンホが脚本、監督、原作はウェブトゥーンらしいけど、いかにもな内容で楽しませてくれた。そしてなぜだかあの、アルフォンソ・ゼログラビティ・キュアロンがプロデューサー…のネトフリ映画。「神の啓示」を題材にしながら、最終的には「精神疾患」というか人間の脳の錯覚というか「悲劇が生まれる原因」の話に落とし込まれいて、とても高度な作話に感心したし、興味深かった。「地獄が呼んでいる」で指殺人などを引き起こす社会の悪い側面を描いたヨン・サンホが、今回は実際に指殺人ならぬ本当の殺人に手を染め(ようとす)る人間を描き出した。 映画の内容的には、ラスト近くまで「神の啓示」説に取り憑かれた牧師が主人公のままなので、この話はどこに向かうのか?と訝ってしまう。実際に牧師が目にする「啓示」だけが視覚的に映し出されるので、これは本当に「神の啓示」のお話なんだろうか?となる。しかし最後の最後まで見ると、当然ながらそれらの啓示は、そう信じたかっただけ、思い込んでいただけ、という話になってくる。 これは日本でもよくあることで、まだ起きてもいない未来のことについて、「前にもこういうことがあったから、今回もこれをしなければこうなる(に違いない)」と思い込む人がものすごくたくさんいる。実際には、前回のそれと、今回のこれは別のもののはずなのに、過去の記憶に囚われて確信していることを、自分には経験値があるのだ、とばかりに勝手に置き換えて、他者をも巻き込んだりする。こちらからしたら「それは…あなたはそういう経験したかもしれないけど、私はしていない」という話でしかないのに… そうした「思い込み」が生み出す悲劇が、実はこの映画の中で起きた出来事、そのものなのだと思う。特に、「子供を男の人が連れ去った」という保育園の情報だけで、GPSつけてる性犯罪者がやったに違いないと思い込むところなど、韓国でも日本でも、マジでよくある話になっている。成人の、おじさんの、男性が平日の昼間に道を歩いているだけで不審者扱いされるのが日本という国でもある。あなたの思い込みなど、私にとっては単なる迷惑でしかない。悲劇さえ生み出すんだよと。勝手に神の啓示だとか言って物語の主人公ぶってないで、今目の前で起きていること、その目の前の現実が本当のことなのかどうかだけを見極めなさいという教訓なんだと思えた。 ということで、映画自体はネトフリ映画とは思えない丁寧な作りではあったのだけど、ちょっと長すぎた。もう少しブラッシュアップしたら、100分くらいの映画にはできたんじゃないかと思えるので、評価は割と普通めにしました。 【視聴:Netflix】