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「ものすごくうるさくて〜」みたいに、心に受けた大きな痛手を受けた場合、人はどんなふうに修復していくのか、手探りな心の軌跡、そんな映画が好きなのかもしれない。この映画もずっと気になっていた。 人は、愛する人が死んだとき遺体にちゃんと向き合わないとその人の死を受け入れることがなかなか難しい、と聞いたことがある。飛行機事故のような場合だ。 あまりにも自分に開いてしまった穴が大きすぎると、その穴を覗き込みたくないばかりか、そんな穴は存在しないのだと拒絶してしまうのだろう。脳の防御反応。 そんな痛みが痛切に伝わってきて、どうしたらこの彼はその穴をもう一度客観的に見つめ直せるのだろう、と観ながら考えていた。それを見つめ直すところから新たな一歩があるから。 コミュニケーションさえ難しくなってるくらい変容してしまった彼のそんな痛みにあえて向き合うことで、その親友も自分の心の中を探っているのだ、ということがまた良かったと思う。だって、こんな風になってしまった人を助けたいだなんて、普通のありきたりの親切心ではとても無理だから。君が本当に大切なんだよと、そんなふうに全身で伝えないと伝わらないから。 原題が素晴らしい。あぁ、そういう意味だったのね、と終盤その曲が出てきて締め付けられた。 いい映画でした。
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