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Till
star4.0
フランスのコメディ映画と聞いても正直ピンとこないし、若干抵抗があるかもしれないがこれは見て損はない。フランス映画独特のアンニュイな感じは一切なく、ストーリーも次から次へと展開があり、飽きることはない。それにコメディセンスも良い。会話でというよりは、動きや演出で笑わせるので、全然日本人にも通じるものである。主人公バジルが幼少期に父親を地雷で亡くし、その30年後に自分が発砲事件に巻き込まれ頭部に銃弾を浴びてしまうが、ひょんなことからその地雷の会社(ヴィジランテ兵器会社)と銃弾の会社(オーヴェルビエ軍事会社)が向かい合って建っているのを発見し、その2社に復讐を計画するというのが主な内容。しかし、『オールドボーイ』や『96時間』のように自分で直接的に手を下そうとするのではなく、その2社が対立し、共倒れするように仕向けるというあくまで間接的な復讐のため人はほとんど死なない。バジルと仲間達は復讐のために様々な行動を起こすのだが、その計画が完璧過ぎるし、なおかつその様子をコミカルに描いているため、『ミッションインポッシブル』のようなハラハラドキドキ感というのはほとんどなく、緊迫感を楽しむというよりは、次から次へとピタゴラスイッチのように展開される見事な計画の過程というのが本作の最大の見所となっている。また、バジル含め登場人物全員が個性豊かで、計算能力がとてつもなく高い人や、異常に体が柔らかい人、ガラクタを材料に様々な物を作る発明家などそれぞれの得意な分野が見事に計画に活かされており、ほとんど誰一人存在感が薄れることはない(意外とプラカールが存在感薄かったかも)。復讐をテーマにしておきながら、その二転三転するストーリーをコミカルに描きつつ、ジュネ監督のオシャレな世界観を十分に堪能できる良作だと思う。
10