Comment
【予告から騙される映画】 シリーズファンの予想をも超えてくる伏線の回収っぷり。それが予告から敷かれていた事に気づくラスト30分がもうマックスのアハ体験。サービスたっぷりなエンドロールも秀逸。 ◆概要 フジテレビ開局60周年記念作品。出演は長澤まさみ、東出昌大、小日向文世らドラマ版おなじみのキャストほか、竹内結子、三浦春馬など。監督は本作で映画デビューの田中亮。脚本は「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの古沢良太。ドラマ版は古沢の脚本を元に韓国版『コンフィデンスマンKR』、中国版『コンフィデンスマンCN』の同時制作が決定している。 ◆ストーリー ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人の信用詐欺師(=コンフィデンスマン)は、香港マフィアの女帝ラン・リウが持つと言われる伝説のパープルダイヤを狙い、香港へ飛ぶ。天才詐欺師ジェシーと日本のヤクザ・赤星の影もちらつきはじめ、事態は予測不可能な方向へ展開していく。 ◆感想 予想を超えてきた大どんでん返し。シリーズファンには、そろそろ来る来る、来たー!な展開に、まだ来た!と言わしめる圧倒的な原作力。さらに、エンドロールで見たもの全員ニッコリさせてくれる工夫も光る。サービス満点の映画。 ◆以下ネタバレ◆ なんといってもこの原作力、脚本力がピカイチなので、早々にネタバレするしかない笑。エサをなんぼ仕掛けても釣られないオサカナに、チームの手の内をどこまで知られているのか分からないジェシーの暗躍。ダー子がジェシーと組むのか組まないのか、ボクちゃんの想いにダー子がどう応えるのか、そんなロマンス編らしいロマンスの行方も気になる。ラスト30分、赤星の登場とともに一斉に始まる伏線回収にもう着いていくのがやっと。“鈴木さん”や金髪の女性など、ちょい出のシーンが全て意味のあるものだった事に、流し見していた自分が恥ずかしくなる(逆にジャッキーちゃんのちょい出は特に意味がなかったことは、注目していた自分が恥ずかしい笑)。予告の段階から、竹内結子が中国人を演じる事への違和感も感じていただけに、それすらフェイクだった事でスカッと解消させてくれる伏線回収が素晴らしい。“目に見えるものが真実とは限らない”その言葉の通り、マスクをごっそり剥がしたリチャードのように、全てが綺麗にひっぺがされる展開。巻き戻しでの演出もテレビシリーズらしさがあるし、もう古沢良太が天才。 「祈りの幕が下りる時」同様、ドラマシリーズの映画化で、シリーズの登場人物が総登場なのはもはや必須なのか笑、は置いといて、小池徹平に吉田羊、石黒賢らが「from〇〇編」とクレジットされていくエンドロールはアツい。シリーズファンへのサービスたっぷりで、映画のスケールも増すと思う。 オーラスの長澤まさみのアイドル化は、もはや製作陣の長澤まさみイジメとしか思えないけど笑、個人的には悪くなかった笑。「キングダム」に続いての長澤まさみの美の視覚暴力と言わせてもらうが、本作は少し歪んだ暴力だろうか笑 あとエンドロールで出た生瀬勝久の名前に、本編の記憶をフル回転で辿った労力を返して欲しい笑。 個人的には韓国と中国でドラマ版が同時に展開しているのが、このシリーズの発展を期待するポイント。映画でも各国バージョンが作られるとか、ならではで比類のない展開を期待したい!
26 likes0 replies