
てる

Basic Instinct
Avg 3.0
シャロン・ストーンのためだけに作られたシャロン・ストーンの魅力全開の作品です。 彼女の出世作で、意欲作だ。 なんと言ってもノーパンでの足組み替えカットは有名だ。この作品を知らなくてもこのカットだけは知っているという人も多いことだろう。 エロティックサスペンス。そんなジャンルはないのだけど、サスペンスとセクシーは相性がいい。 シャロン・ストーンがただただセクシーなのだ。冒頭からすごいもんね。ベッドシーンで殺戮シーンだ。強烈なインパクトを残すシーンから始まる。でも、ただのエログロで終わらないから傑作なのだ。 セクシーだけではなく、知性も感じる。美人すぎる魅惑の小説家。犯人なのは間違いない。過去に犯罪歴もある。しかし、尻尾を掴ませない。すぐそこにいるのだ。手を伸ばせば届くはずなのに、届かない。 ミステリアスなのだ。常にミステリアスなのだ。人を誘惑する術を熟知している。 生命の危険を感じさせる。なのに、離れがたい。 手が届く。なのに、捕まえられない。 誘惑してくる。なのに、本気になると離れていく。 それこそが彼女の人心掌握術なのだ。適度な距離間を常にはかっている。手を伸ばせば届くはずなのに届かなくて、捕まえたのにいなくなっている。だから再び捕まえようと手を伸ばす。独占欲を駆り立てるのだ。気づくと彼女にやみつきになっていて、彼女のためにあっさり犯罪に手を染めている。 恐ろしい。悪女とはまさに彼女のことだ。悪女では生温い。魔女だ。魔性の女だ。 警察官に囲まれ、尋問を受けているはずなのに、緊張感などまるでない。真っ白いスーツに身を包み、綺麗に髪をセットし、タバコの煙を燻らせ、余裕の表情だ。さながら女優が宣伝インタビューを受けているかのようだ。 短いスカートにノーパンで、優雅に足を組み替える。刑事たちはそこに目が釘付けだ。圧倒的に不利な立場にいるのにも関わらず、尋問室は彼女の手中にあった。 とんでもない人間だ。 彼女の魅力の虜になるのに性別の隔たりはない。女性ですら彼女の手にかかれば、あっさり掌の上だ。彼女の魔の手で女性も死んでいる。 トリックなどない。魅了という技で人を操り、警察から逃れている。彼女に恐ろしいものなどない。全ては彼女の意のままなのだ。 最後もとっても気になるカットで終わる。 床に置かれたアイスピック。 しかし、それを手にすることはない。 それもなんだか魅力的なのだ。 アイスピックを掴み、ニックをベッドの上で殺害したのであれば、ただの殺戮狂なのだ。今までの殺人の首謀者であり、殺人に嗜好を見出してる変態なのだ。 だが、そう終わらないのに彼女の魅力がある。ニックはまだ生かしておくのだ。殺すことのデメリットをしっかり計算している。 彼女にとって殺人は嗜好ではない。必要なときに行う作業の1つでしかない。 彼女の嗜好は小説を書くことなのだろう。人の死は彼女の中ではエンターテインメントなのだろう。 頭の中の物語を現実になぞり、それを小説に落とし、その作品を世に出すことが快感なのかもしれない。犯罪を行なっているのに逮捕されることなく、完全犯罪を公に発表し続けることは、万能感に包まれ、気持ちの良いことなのかもしれない。 サイコパスすぎる。ダークナイトのジョーカーのような純粋な強大な悪だ。 なんだか話が大きくなってしまったが、ミステリアスで謎に包まれた作品だった。 歯切れの悪い作品は苦手だ。結局誰が犯人なのか明言がない。だけど、これだけヒントが散りばめられていたらこれは確定でいいだろう。 だから、最後は不快感ではなく、背筋がひんやりするような気持ちで終わる。 ニックはどうなるんだろう。でも、そんなことはどうでも良い。だって自業自得なんだもん。犯人だとわかっていながらも関係を持ってしまう刑事の末路に憂う優しさを私は持ち合わせていない。 悪い女には気をつけよう。欲望に忠実になってはいけない。ほどほどにしないと呆気なく身を滅ぼすので、ある程度の自制心を持って生活しようと思う。