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ピーター・ヒューイットが監督を務めた、2006年公開のSFコメディ。 ジェイソン・レスコーによる児童書『Amazing Adventures from Zoom’s Academy』を原作とする本作は、日本ではビデオスルーとなった作品。かつてキャプテン・ズームとして地球の為に戦った主人公の中年男ジャックが特殊能力を持つ子供たちをヒーローとして育成していくという物語で、パッケージからも分かる通りいかにも2000年代キッズ・ムービーという作風です。作品全体がとにかくチープな上に展開や演出も非常に子供向けで、アメリカ本国での興行成績はすこぶる悪く大衆や批評家からも酷評されてしまったそうです。確かにどこかで観た事があるような展開ばかりですし、アクション映画としての痛快さも無くパッとしない作品である事には間違いないです。加えて88分の作品であるにも関わらず、そのうち育成&内面的成長パートが80分を占めるというバランスの悪さも否定出来ません。ただ個人的にはそれらもこの作品のチャーミングな部分として好感が持てましたし、そういったツッコミどころも込みで最後まで楽しめました。作品全体のいい意味での軽さが堪りませんし、とにかく何も考えずに観れるのが良い! はっきり言って作品の規模やシチュエーション、CGや画の質感、クライマックスのあっさり具合に至るまで全てがテレビドラマっぽく、わざわざ映画にする必要性もあまり感じません。ただこういうチープ極まりない作品を今観るのは逆に難しい事ですし、何よりこの”2000年代コメディドラマ感”の漂う本作は、「ディズニーXD」をはじめとする男子児童向け番組を浴びるように観ていた人ならどうしても嫌いになれないはず!くだらないけどクセになるこの感じ、忘れていたけど、僕こういうの大好きだったわ。別に映画として優れた作品でもなければ、周りに勧めるような作品でもありません。そう、これこそ”俺が誉めなきゃ誰が褒める映画”です!とりあえずDVD買おうかなぁ。 ちなみに、ディズニーXDは今年の1月末で11年の歴史に幕を閉じまして、開局から一貫してナレーションを務められた松本考平さんによる「エンディングのコーナー」の模様がYouTubeで見れます。小学生の頃、特に『リセス 〜ぼくらの休み時間〜』は全話セリフを完コピ出来る程観ていたので、放送終了を知った時は凄く寂しかったです。今回十何年振りに松本さんの声を聞きましたが、その瞬間に当時のリビングの風景や番組を観ながらやってた宿題、食べていたお菓子まで思い出しました。あぁ、また観たいなぁ。
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