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ステファノ・ソッリマが監督を務めた、2021年公開のアクション・スリラー。 トム・クランシーによる1993年の小説『容赦なく』を原作とする本作は、2018年の『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』に続き監督をステファノ・ソッリマ、脚本をテイラー・シェリダンが手掛けている作品とのこと。ただここでまず一つ失敗したと言いますか、原作者トム・クランシーの代表作「ジャック・ライアン」シリーズはこれまでにも『レッド・オクトーバーを追え!』『パトリオット・ゲーム』『今そこにある危機』などの映画化作品や、本作と同じくAmazonビデオ配信のドラマシリーズ『ジャック・ライアン』などといった先行作品があり、本作及び原作『容赦なく』はこれら「ジャック・ライアン」シリーズの”前日譚”にあたる作品らしいのですが、自分はそれらを全く観ていません。つまりプリクエルから先に観てしまった為、完全には楽しみ切れていないと思います。ただ、ポスターや予告編からもそう言った情報が大々的に掲載されていないのは「単体のアクション映画としての面白さ」が十分に担保されている証拠ですし、実際自分はオリジナルを全く知らずとも最後まで楽しめました。特にマイケル・B・ジョーダンの圧倒的な肉体美とバッキバキのアクションシーンには終始見惚れてしまいますし、クライマックスの籠城アクションも凄まじい迫力でした。またエンドロールには次回作を示唆させるようなワンシーンも挟み込まれており、また彼の活躍が見られるというだけでも嬉しく思います。 ただ個人的には、ヴィルヌーヴの1作目以上に尽く自分好みだった傑作アクションスリラー『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』のステファノ・ソッリマ監督最新作だという事、そして「ボーダーライン」シリーズに加え自分が本作の為だけに予習した『ウインド・リバー』で完全に心を鷲掴みにされたテイラー・シェリダンの脚本最新作だという事を踏まえれば、作品全体がかなり薄口なのは否めないですかね。突出してダメな部分や退屈に感じる場面も特にありませんし、十分面白い一作ではあるのですが、期待値が高過ぎた分どうしても物足りなさが残ってしまいます。ただこの消化不良感はスピンオフだけを観ている弊害でもありますし、せめて映画化作品くらいは観てみようかと思います。色々書きましたが全然好き! 「主人公は特殊部隊を退役し家族と共に幸せな日々を送っていたが、その裏では同じ元隊員達が次々と殺されていく・・・」 いや『コマンドー』かっ! ただ本作で登場する元特殊部隊には、早朝にゴミを出したり、車屋のディーラーをやっているような人はいませんでした。
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