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ポップでキッチュな架空のハリウッドを舞台に、映画製作に奔走する人々を描いた中高生向けのクリエイター映画。中高生向けとは言うものの、アラサーでも楽しめる完成度の高い映画でした。 俳優のオーディションから撮影・編集・金策に至るまで描かれた映画をあまり観たことがなかったので、とても新鮮に感じました。そして、各シーンで製作者側からのメッセージが印象的なセリフで表現されており、非常に解りやすくも熱く描かれている為、映画人の皆さんの映画作りに懸ける情熱が伝わってくる様でした。 また、主人公が完全な陰キャの映画オタクなのですが、作品を通じて陰キャの矜持の様なものが描かれており、人生常にルーザーズでやってきた私の心に刺さりまくりでした(笑)! 少し難点を挙げるとすれば、リアリティーやディテールの部分ですかね。冷静に考えればストーリーは荒唐無稽ですし、所謂「優しい世界」で、基本的には主人公側にポジティブな登場人物ばかりです。また、ハリウッドが舞台のはずなのに、登場人物のメンタリティは明らかに日本的です。その辺りが気になる方もいるかと思います。 ただ、個人的にはその辺はあまり気になりませんでした。作品全体がポップでキッチュなアニメーションで描かれているせいか、いい具合に全体のリアリティーのレベルが下がっており、上記の様な難点も、すんなり受け入れることができました。素直にハッピーエンドを喜べる作品だと思います。 というわけで、基本的にはクリエイター志望の中高生(特に陰キャの方)が観るべき映画だと思いますが、もちろん大人(特に陰キャの方)でも十分楽しめます。原作があるものですので、原作ファンの間では賛否が割れている様ですが、その辺が気にならない方には自信を持ってオススメできる映画です。
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