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いつものことながら凄惨なバイオレンス描写からは全く逃げも隠れもしない姿勢が素晴らしいですね。しかもそれが単に見るものを刺激するだけのカンフル剤としてではなく、警察官としての矜持とヤクザとしての義兄弟の絆の間で揺れ動くジャソンをより魅力的に引き立てる効果を担っており、この手の映画をやらせたら韓国の右に出る者はいないと思います。 ジャソンは毎日毎日いつ自分が潜入スパイだとばれてしまうのか、過剰なストレスとプレッシャーに耐え続けているわけですが、引くことを許さずに過酷な任務を与え続けるカン課長のやり口は、はっきり言ってヤクザ以上のえげつなさで、物語は徐々に取り返しのつかない状況へと主人公を追い詰めていきます。このドライヴ感がたまらない。 また、兄弟子チョンチョンの愛すべきキャラクターと二人の信頼関係は見ていてグッとくるものがあり、劇中最大の見所となっているのは言うまでもないでしょう。やり尽くされた要素が氾濫するご時世によくまあ次から次に快作を作れるな、と感心します。
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