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ダニエル・シャイナートとダニエル・クワンのコンビ、ダニエルズが監督と脚本を務めて製作された2016年のアメリカ映画 ・ 遭難し無人島で孤独に絶望して死のうとした男の前に現れた死体。その死体には様々な便利機能が備わっていたという完全に意味が分からないシュールな設定 ・ これ好きです。昔から映画に限らずシュールや難解なものが大好物なので、こういった飲み話の悪ノリで作ったみたいな作品は大好き。死体が水上を進んだり、話したりするから気持ち悪いと感じる人もいるでしょう。安心してください。これ映画ですから。これぐらいの悪ふざけも受け入れられないなら最初から見ないでください ・ まあこの設定だけだったらこの作品の魅力はそこそこだったでしょう。この作品が唯一無二な存在になったのは、死体のメニー役がダニエル・ラドクリフだってこと。監督がダニエルズで主演もダニエル。名前で選んだ? そうハリー・ポッターが死体です 彼は名前を呼んではいけないあの人に負けていたのです。戦いに敗れたハリーは死体となって無人島にたどり着いたなです。まだ魔法が残ってたからいろいろできるのです。 ・ とまあこんなふざけた妄想ができちゃうキャスティング。これはもうラドクリフを死体としてキャスティングした時点で完成された映画。冒頭の10分で終わる短編映画でもよかったぐらい。このシュールな設定の魅力はラドクリフが120%まで引き上げている ・ そんな死体メニーと友情らしきものすら築くハンク役はポール・ダノ。ほぼ2人だけの芝居だから、ふざけた設定はともかく演技がしっかりしてないと間がもたない。こういったシュールな設定を自然に演じるって難しい。死体を演じたラドクリフにいたっては役作りどうしたんだろって想像しただけで笑える ・ スイスのま10徳ナイフのように機能豊富な死体なので「スイス・アーミー・マン」という原題そのままにしたのもいい。なんだそのタイトル?っていう引っ張りも強い ・ 確かに賛否両論になるのは分かる。国によっては死体への冒頭ととったり、不快な人もいるだろう。でもそんなことは関係ない。絶望の淵にいる若者が便利なお話できる死体と出会ったら、友情だって芽生えるし、オナラ出まくり下ネタ多めの死体を愛さずにはいられないのだ。なんだか最後は感動すらした。ちょっと褒め過ぎたけど、こういった発想で映画を作る人、それをちゃんと演じた俳優さんはリスペクトしたい
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