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面白かった! ちょっとおまけで★4.0です。 コメディアニメで笑ったのは久しぶりです。 「二股をしている」という崩れた土台の上に積み上げられるロジックが、滑稽でバカバカしくて楽しかった。 そして、滑稽でバカバカしいロジックが、思考を本質的な問いへと誘う事があり、ある種SF的な面白さも感じました。 「顔の美醜が判別できなくなる装置が導入されたら、社会はどう変化するのか」を描いたテッド・チャンの「顔の美醜について」のように、本作は現実にはあり得ない仮定を設定して、それがもたらす変化をシミュレーションする思考実験作品としても楽しめると思うのです。 誠実な二股が成立するとして、それは一体何が問題なのか。 恋愛対象の異性を独占したいという思いはなぜ発生するのか? 本作を見た後に、湯船に浸りながら、こんな問いを脳内で転がすのが楽しかったです。 ・声のトーンやタイミングがテンションを左右するコメディアニメにおいて、佐倉綾音が絶妙な仕事をしていたことも記しておきたい。 ・咲が、本当に我慢ができない場合はそれを表明して相手を殴る事ができるキャラクターである点など、「二股肯定」が生み出す臭みを脱臭する仕掛けが随所に施されていて、バランスがとられている点も評価したいです。
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