
akubi
5 years ago

24 City
Avg 2.7
雨の音のとてもよく響くからっぽのビルのなか、男は語りはじめる。 息が顔にかかったと錯覚するほど生々しく、壊されてゆく工場とはうらはらに、彼らは優しく撫でるように、過去をほどいてゆく。それが激動の時代の、辛く苦しいものであったとしても。その子らに、渡されるバトン。あらたに紡がれる記憶と想い。彼らは泣きながら、笑っていた。 彼らの寂しさや悔恨や少しの歓びを、両手で包むように手渡されたようだった。そしてそこからは、やわらかな音楽が鳴っていた。