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【感情大忙し映画】 女子高生達の笑顔溢れる無限の元気にパワーをもらいつつ、培われていく揺るぎない友情に何度も涙する、感情大忙し映画。豊かな映像表現も光る。 ◆概要 韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」('11)のリメイク。 監督・脚本:「モテキ」の大根仁。出演は篠原涼子、広瀬すず、板谷由夏、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美など。小室哲哉が音楽を担当。 ◆ストーリー 女子高生グループ「サニー」は、20年以上の歳月を経て、メンバーそれぞれが問題を抱える大人の女性になっていた。末期がんに冒され「死ぬ前にもう一度だけみんなに会いたい」という芹香の願いを実現するため、彼女たちの時間がふたたび動き出す。 ◆感想 懐かしさや切ない気持ち、悲しさや太陽のような元気さ、なんだか色んな感情で大忙し。心が揺さぶられる映画とはこういう映画なのかもしれない。過去と現在でそれぞれ起こる出来事が相乗効果的に感情を倍に刺激されてる気がする。 ◆パワフル まずは、女子高生の無限の元気さというか無敵の笑顔というか、みなぎるパワーがよく表現出来てると思う。箸が転んでもおかしい年頃とはよく言ったもので、何をやっても笑ってる彼女たちを見ているだけでこちらまで自然と笑顔になるし、時折差し込まれるダンスシーンがパワーに満ち溢れていて、元気をもらえる。冒頭のララララブソングに乗せた女子高生達のダンスには、始めから気持ちを持っていかれました。 ◆過去との交錯 うまいのは、そのパワーみなぎる過去から瞬時に現在に転換して、見る側の感情も瞬時に切り替えられてしまう事。これが感情の忙しさに繋がっていると思う。芹香から奈美に渡されたDVDが顕著で、ゲラゲラ笑いながら現在に送られるメッセージは、過去の目線でも見てしまうし、それを懐かしむ現在の目線でも見てしまう。その過去の彼女達が「ずっとずっと仲良くしようね」と泣き始めると、彼女達の友情に加えて、現在の彼女達が取り戻そうとしている絆が重なり胸いっぱい。さらに、芹香の遺影の前で踊るシーンには、笑顔で踊っている彼女たちの絆になんだか泣けてきて、とても不思議な感覚だった。渉に失恋した過去の奈美に寄り添う現在の奈美の二人は、そんな忙しい感情が一つに収束するような、気持ちがまとまる美しいシーンでした。 ◆映像表現 映像表現も豊か。前述の女子高生達のダンスシーンでは、現在から過去への繋がりがワンカットに収められている映像の不思議さ。過去と現在の奈美が寄り添い合うシーンも美しい。奈美が白目向いてブチギレるのも笑、お好み焼きがスローで飛ぶのも笑、少しハッとさせられるワクワク感というか。脚本と監督が同一人物ならではのアウトプットだと思う。大根さん天才です。 ◆キャスティング キャスティングも光る。広瀬すずは何やらせても上手いし、山本舞香はハマり役だし、池田エライザの可愛さも役にピッタリ。篠原涼子が小太り気味なのが役作りであればなおさらすごい。広瀬すずの白目ブチ切れ演技は爽快感すらある徹底っぷりだっただけに、篠原涼子にも同じく白目ブチ切れのシーンが欲しいと思ったのは自分だけではないはず! ◆劇中歌 劇中曲は自分も含め、30〜50代にはどハマりである事間違いなし。Charaのやさしい気持ちや、PUFFYのこれが私の生きる道、個人的には屋台で森田童子のぼくたちの失敗が非常にアツかった!(映倫マークと共に未成年の飲酒を制する文言があったのにはホッとした) ◆ なんだか色々書いたけど、それだけ色々感想が書ける、色んな感情を受け取った映画だった。大根監督に感謝!
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