
雅哉
9 years ago
3.0

A Silent Voice
Movies ・ 2016
Avg 3.6
この悲劇の元凶は聾者の娘を聾学校ではなく、普通小学校に入れた母親にあるのではないかという気がして仕方がなかった。子供は残酷だからね、そりゃイジメも起きるだろう(勿論それを肯定しているのではない。リスクが高いと言っている)。普通学校に入れる事が本当に子供のためになるのか、それとも単なる親のエゴイズムなのか、よくよく考える必要がある。「善意」を信じても、所詮子供だしね。硝子が最初から聾学校に行っていれば彼女も、将也もあんなに苦しむことはなかった。 「感動ポルノ」という言葉がある。障害者は【健常者が感動するための道具】として見世物扱いされてるということである。24時間テレビがその典型例であり、1998年にTBSで放送されたドラマ「聖者の行進」にも僕は激しい違和感を覚えた。知的障害者=聖者として扱われていたからだ。それって正しい態度?彼らだってオナラもするし、乙武洋匡みたいに不倫だってするだろう。美化したり腫れもののように扱うのではなく、あくまで我々と対等な立場として接するのが、本来あるべき姿なのではないだろうか? 「聲の形」は決して悪い作品でなないが、やはり「聖者の行進」に似た、モヤモヤした気持ちが残る。硝子がね、いい子過ぎるんだ。まるで天使だ。でもそれでは物語のバランスが取れないので、しわ寄せが妹・結弦(ゆずる)に来てしまい、ものすごく屈性したキャラクターになっている。観ていて痛々しかった。