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アンドレイ・ズビャギンツェフ監督による2003年製作のロシア映画 ・ 第60回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞と新人監督賞を同時に受賞する快挙を成し遂げた作品 ・ アンドレイとイワンの兄弟は、母親と祖母と共に暮らしており、父親の顔は写真でしか知らなかった。そんなある日、12年ぶりに父親が帰ってくる。 ・ これまでどこにいたのか全く語らない父親に当惑する2人だが、父親は明日から2人を連れて旅にという。 ・ 翌朝、3人は釣り道具を持って車で出掛けるが、父親は行き先も告げず、高圧的な態度で子供達に接する。兄のアンドレイはそれでも父親に好意的だったが、弟のイワンは不満を募らせてゆくのだった…。 , 映画祭に招待されていた北野武監督も衝撃を受け、上映後15分間も拍手が鳴り止まなかったという ・ 新人監督の作る映画のレベルじゃない。まず目につくのは映像美。1つのショットが1枚の絵画のようにすら見えてくる。カメラワークも素晴らしいし、自然の美しさを余すことなく伝えている。 ・ そして、余計なものを排除しつくした脚本もすごい。 細かい説明もなく、子供から見た父親という視点で旅が進んでいくロード・ムービー。 ・ 何も説明しない父親に不信感を抱く弟のイワン。疑心は募り関係はぎくしゃくしたまま。 ・ 旅の終わりに待っている衝撃の結末。これは圧倒的にすごい。単純な感動とかじゃなくただただ衝撃を受けて、ふつふつと余韻が込み上げてきた。 ・ いくつもの謎を残したまま終わるから納得いかない人もいるかもしれない。ただそれはこの映画では些末なこと。それでも気になる人は映画好き同士で語り合うのが1番。答えのない映画の謎を語り合うのは最高に楽しいもの ・ この兄弟のケンカが絶えないのに仲がいい感じは好きだな。演じてた2人もとてもよかった。兄のアンドレイを演じてたウラジーミル・ガーリンは、本作撮影後に本作のロケ地で友人と遊んでいて事故死してしまった。金獅子賞の受賞は彼に捧げられた。 ・ いろいろ言ったけど、この作品のすごさは観ないと伝わらないからその目で確かめて
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