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歴史を復習(予習?)して視聴。 西側・東側の代理戦争が地球上の至るところで繰り返された(されている)、そのリアルな問題を提起した作品。 これまで見てきた多くのアクション作品であれば、 主人公たちが敵に囚われ、車で移動している最中に隙きを見て銃を奪い、脱出!戦車を奪ってなぎ倒す!! なのだけど、それらに対してこの作品では、 全く何も出来ず、ただ震え、大量の汗が滴り落ちる。この無力が現実であり、目の前で銃殺される姿を見て、叫ぶことすら出来ず、現実であることを受け入れすらすぐに出来ず困惑。 現実は更に悲惨・過酷であろうと思うものの、これがリアルな状態なのだろうと。 そんな、いつ爆破されたり、銃撃に合うか分からぬ中でジャーナリズムと友愛を貫く物語。 作中にあった、「何のために戦った?」「無視した」これらの言葉は、代理戦争の冷酷さをストレートに非難し、 いつ理由も分からず殺されるか分からぬ強制労働をさせられているカンボジアの映像と、受賞パーティーが開かれるアメリカの映像との対比が、 まさに、駒にされ、戦地にされ、蹂躙された世界中の地域と、操り利用している側の大国との対比そのものだった。 それにしても、 ポル・ポトが提唱した理想社会のエキセントリック加減が映像で見ると怖ろしすぎる。 それまで演技経験なしで、助演男優賞を受賞した、ディス・プラン役のハイン・S・ニョールが実際にクーメル・ルージュに捕らえられ強制労働を強いられていた経験を持つことを考えると、 いかにリアルを知り、再現しているかということと思うと、この悲惨な内戦を代表とする「東西代理戦争」の犠牲になった人々の現実が、なお一層に怖ろしい。 このような作品がこれからも視聴され続けるべきと思いも込めて。
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