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余命幾ばくもない老ヤクザが郷里に戻り、娘を救うために命を燃やす様を描いた時代劇の秀作です。 80台半ばを過ぎているのに男の色気を感じさせる仲代達矢さんは大したものです。 8Kによる映像の美しさも格別です。最近の日本映画は映像が見劣りする作品ばかりなので、久しぶりに満足しました。 ただ同じような音楽を延々と流しているのには辟易しました。ラストのレクイエムの使い方は良かったのですが、それ以外はどうかと思いました。 杉田成道監督は、一つ一つのシーンをじっくり撮るのが得意な監督であり、各シーンだけを見れば良く撮れているのですが、全体を通して見るとメリハリがなく、平板な作品が多いという印象です。したがって彼には映画史に残るような傑作はなく、私は余り評価していないのです。本作も秀作ではありますが、傑作とは呼べません。
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