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2020年91本目は、10年間に及ぶシリーズについに終止符が打たれることになりました『イップマン完結編』。 ------------------------------------------------------------ モデルとなった葉問の晩年を描いており、彼は79歳にしてこの世を去ったので、作中のイップマンも70代の老人だということになります。どう考えてもそんな老齢には見えませんが、演じるドニー・イェン自身も既に還暦間近。流石に昔ほどの勢いは感じられないものの、ワイヤーなどの力を借りながら激しいアクションシーンを演じており、まだまだ現役といった迫力がとても頼もしかったです。 ------------------------------------------------------------ 意外だったのはストーリーが人種差別や偏見が生む対立を主軸としていることで、本作はどちらかと言うとしんみりとした哀愁を感じさせるドラマに仕上がっていました。現在の香港や中国が置かれた情勢を踏まえると、まるで未来を予言したかのようなシナリオです。また、格闘技については敵ナシのイップマンが息子の反抗期に手を焼き、ふとしたことからアメリカで出会った少女との交流を通して、何が足りなかったのかを見つめ直していく過程も上手く描かれています。 ------------------------------------------------------------ とまあドラマ部分の方がアクションよりも見応えアリという結果は意外でしたけど、10年にも及ぶシリーズの集大成としては見事な締めくくりですし、ファンとしては見逃せないでしょう。それにしても今回の敵役を演じたスコット・アドキンスは毎度のことながら凄まじい動きで、色んなアクションスターの影に隠れていますが、私的にはこの人が最強の「人間兵器」なんじゃないか…と疑ってしまいますね。
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