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社会が加えた暴力の被害者は、自分自身も加害者にさせられ、誰かに責任も問えずただ心が壊れていく。民主化を求め独裁政権と長い年月を戦ってきた韓国近現代史の暴力性を一人の男の人生で辿っていく物語。 民主主義のもとで生きている今の世代も、今の時代が持つ暴力性を経験してきている。自分を守るために、疎外されないために、一人負けしないために、加害者になる選択をした経験さえあると思う。汚れていく一方の心に慰めと虚しさを同時に与える、永遠と時代を打ち抜いていく傑作。
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