技能実習生として日本にきた中国人が主人公のヒューマンドラマ。 いわゆるドキュメンタリー的な内容ではないし、「技能実習生の実態」なんていう見方はかなり的外れに思う。良い意味で、これはよく言われる技能実習生制度が抱える問題を全く描いていない、と言ってよい。 むしろ、技能実習生をモチーフにしながらも、そこにいるのは国籍に関係なく悩む「普通の中国人の若者」であるし、当たり前だけど一人一人が色々な人生を抱えて国境を越えてきていることを改めて思い出させてくれた良作。だが、映画としての完成度がどうなのかと言われれば若干微妙なところもある。 少なくても、技能実習生がいかに不遇な扱いになっているか、ということを期待して観ると完全に肩透かしをくらうし、これを観てそう感じたとしたら、明らかに見誤っていると思う。 それにしても、藤竜也がとても良い味を出していて、複雑な立ち位置のキャラとして熱いものがあった。蕎麦が食べたくなる。