
てっぺい

The Shawshank Redemption
Avg 4.1
Jul 04, 2018.
【神的な慈悲を見るひたむきさ】 刑務所の中で起こる絶望の連続、それでも希望を捨てない主人公のひたむきさ。迎えるエンドには、映画の原点的な満足感、そして神的な風刺すら感じる。 ◆ 原作はスティーブン・キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」。監督・脚本は本作で長編映画デビューを果たしたフランク・ダラボン。94年度のアカデミー賞7部門ノミネート作品。出演は、『ミスティック・リバー』のティム・ロビンス、『ミリオンダラー・ベイビー』のモーガン・フリーマンなど。 ◆ 長年ショーシャンク刑務所に入っている囚人レッド(フリーマン)と無実の罪で収監された元銀行副頭取アンディ(ロビンス)の友情を軸に、アンディが巻き起こす数々の奇跡が描かれる。 ◆ 自分の人生に希望を持てるような、原点のような映画。絶望的な牢獄での生活にも決して希望を捨てる事なく生き続けたアンドリューの、どこか神秘的で力強い生き様に、見てるこちらにも自然と勇気や希望が湧いてくるような感覚を覚えた。 ◆以下ネタバレ◆ 終わってみれば、ストーリーはシンプルな勧善懲悪。でも、だからこそ伝わってくる、絶望の中での希望を捨てない生き方の尊さ、そしてそのとてつもない年月の重さ。希望を捨てずに努力を重ねたアンドリューが迎えるエンドに、この映画が伝える尊い教えのようなものがあると思う。 絶望に次ぐ絶望。受刑者からの暴行、無慈悲に叩き込まれる懲罰房、そして何より真実の証明を目前にしてそれを絶たれる絶望、“全力で生きるか全力で死ぬか”究極の言葉を発するに至るまでの描写は、正直見るに耐えないものがある。 それでも終始希望を捨てなかったアンドリュー。むしろ、仲間達へのビールや、知識も惜しみなく分け与え、刑務所の職員のサポートにまで回り、最終的には仲間を救うエンドに至る。“希望は恐怖だ”と語る囚人に、“希望を捨てるな”と彼がもはや神の域で彼らを照らす存在だったのは、作者が伝えたい、世の中の同じような境遇の人間に対する何かの暗示や風刺だとすら感じる。 アンドリューがオペラを獄中に広く聞かせたシーンは、脚本の段階で加えたオリジナルのものらしい。なんとも満足げなアンドリューの表情と、懲罰房もいとわず音量を上げた時の目は、上述に通じるなんとも神秘的な力強さを感じたとても好きなシーンでした。 ただ、単に映画の鑑賞者の満足度として、あそこまで無償で全てを与え続けたアンドリューが迎えるエンドとしてはまだまだ残念。もともと無実(のはず)だった上に、ひたむきな努力を絶望的な仕打ちの中重ねた彼には、映画の作品性を無視して、もっともっと幸せなエンドがふさわしい。そう思う。