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本作の監督であるカーティス・ハンソンと言えば青春ドラマの名手で、これまでにも『イン・ハー・シューズ』や『8マイル』など同様の作品を数多く手がけてきました。しかし昨年の9月にアルツハイマー病により死去、『マーヴェリックス』は彼の遺作となります。この手のジャンルが好きな私にとって彼の作品が2度と世にでないという事実は非常に残念でならず、こうした訃報を聞くたびに郷愁にも似た思いに駆られます。 また、遺作とはいえ監督は本作の撮影中にアルツハイマー病のために体調を崩して降板しており、その後を別の監督が引き継いだために、スタッフロール上では「共同監督」作品となっています。そのような過程を踏んだためなのか、それとも元々脚本が駄目だったのかはわかりませんが、キャラクター同士の関係性の詰め方が甘く、人間ドラマとしては正直かなり微妙な出来です。 凄まじい迫力の高波をみられる映像ビデオとしては合格ラインですけれども、カーティス・ハンソンがベストを出し尽くした一作を最後に見たかったというのが本音です。
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