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dreamer

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3 years ago

2.0


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Ordeal By Innocence

Movies ・ 1985

Avg 2.7

この映画「ドーバー海峡殺人事件」は、原作者のアガサ・クリスティが自選のベスト10の中に入れていて、その中で最も好きだったという「無実はさいなむ」の映画化作品だ。 エルキュール・ポアロやミス・マープルが登場しないアガサ・クリスティ作品の映画化には「そして誰もいなくなった」や「情婦」があるが、この作品が正直、一番つまらない。 大富豪レオ・アーガイル(クリストファー・プラマー)の妻レイチェル(フェイ・ダナウェイ)が、正体不明の人物に火かき棒で殴り殺される場面がプロローグで描かれる。 犯人として、息子のジャッコが母親殺しの罪で絞首刑になるが、彼にはアリバイがあったことを証明するため、素人探偵キャルガリ(ドナルド・サザーランド)が、同家を訪ねるところから本筋に入るのだが、対象となるアーガイル家の人々の配置は、平凡な探偵映画なみに図式化されてしまっており、登場人物の性格の面白さがドラマ的な興味を盛り上げるというところまでいっていない。 デズモンド・デイヴィス監督は心理劇的な表現を狙い、キャルガリの想念としてジャッコが処刑される場面を繰り返し挿入したりしているが、全く必然性がなく、わかずらわしさだけが残るんですね。