
ジュネ
8 years ago

Patti Cake$
Avg 3.4
ダメな親元で貧しい暮らしを続け、才能はあるのに機会には恵まれないという境遇は、カーティス・ハンソン監督の『8マイル』にそっくりで、全体的な流れを見ても比較されるのはやむ得ないかと。 その点から見ますと、劇中でパティが披露するラップや苦心して作り上げた楽曲は確かに印象に残るものばかりで本家顔負けですし、ダニエル・マクドナルドの熱演には拍手喝采を送りたくなります。一方で主人公の成長を描く青春ドラマとしては少々物足りなさが残ります。 もともと「才能はあるので後は花開くのを待つだけ」と言う展開は、挫折と成功をかなり上手く描かないと退屈になってしまいがちなんですが、本作もその例に漏れずパティの心が折れて夢を諦めたり、再び立ち上がろうとするきっかけが偶然と運に恵まれた結果にしか見えず興を削がれます。また彼女を巨漢の女性にした理由もいまいち掴めません。見た目のコンプレックスとラップミュージシャンとしての成功は直接的に繋がるところはないですし、この映画ではそれすらも容易く乗り越えてしまう「ある幸せ」が彼女に訪れます。 こんな風に些か夢物語のようなお話で、シビアな現実とのギャップの見せ方があまり上手くないなぁと感じてしまいました。