
てる

12 Years a Slave
Avg 3.6
170年前のこととはいえ、こんなことが現実に行われていたなんて信じられない。肌の色の違いでこうも差別されるものなのだろうか。人間ってのは恐ろしい。 自由黒人なる制度はあったのであれば、なぜこうも黒人が差別されるのだろうか。証明書を所有していれば、市民として認められるのだ。黒人でも白人と同じ待遇を受けるている人がいるのだ。自由黒人と奴隷の差というものに疑問を抱かないものなのか。 黒人を自らの所有物だと断言し、人間扱いせず、彼らを虐げていたエップスは、一方で黒人とのハーフの娘を可愛がっているように見えた。それに、奴隷であった女性を妻にしている人もいた。彼らは身内に黒人がいるのに、奴隷を従えている。良心の呵責が起きないのが不思議だ。赤の他人からすれば、同じ黒人なのに。彼らの頭の中ではどう処理されているのだろうか。 黒人は愚鈍で愚かな存在だという固定観念があるから、そこで思考がストップしてしまうのだろう。自由黒人と奴隷の差とは紙切れ1枚だというのに。 この作品を見ると、奴隷制度というものを考えざるを得ない。買ってしまえば、賃金を渡すことなく、自由に労働させ続けられるのだ。従えている側としてはこうも良い制度はないだろう。それにあやかって奴隷商人や人攫いが平気な顔をしてのさばっている。良心の呵責がないのが恐ろしい。人間の悲鳴を毎日聞いているのに、仕事だと割り切り、平気な顔をしていられるのが恐ろしい。 奴隷たちが反逆してこないと思っている。確かにそう調教されているし、国の制度として成り立っているのだけど、労働をしている彼らの方が筋力は上だし、多くの奴隷を抱えている者はそのリスクを負っている。でも、そのリスクっていうのを念頭にいれていない。いついかなる時でも奴隷に殺されてもおかしくない。彼らは家畜ではなく、感情を持った人間なのだ。虐待を受けたら、負の感情がたまる。仕返しされてもおかしくない。奴隷に殺された者も少なくはないんじゃなかろうか。 奴隷制度とはそうそう上手くいきつづけていい制度ではないのだ。 人間の歴史の闇の部分である。差別せず等しく扱わなければ、いづれしっぺ返しがくる。それは当然の理なのだ。聖書にはなんて書いてあるのだろうか。奴隷は虐げていいと書いてあるのだろうか。奴隷たちに聖書を高説していたけども、疑問を感じざるをえない画であった。 現在の日本に生まれて良かった。それもこれも不当な扱いを受けていた人たちが抗ってできた平和な現在なのだ。そんなことを考えさせられる作品でした。