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糖尿病からきたものなのか、脚を失いそうなばかりか、自分の住み慣れた家も取り上げられてしまったお爺さんが、最後の旅に出る。それも、10代の頃生き別れた友だちとの約束を果たすために。 …と聞いたらすごく深刻な感じだけれど、当人はまだまだ女性も口説きたいし、若者に説教もする。それが洒脱で小気味良い。 たしかに、パリの乗り換えのホームで「そんなにドイツを通りたくないなら飛行機で行けば?」と笑うのは簡単だけど、彼の目にいまのヨーロッパを見せるためにはそのなんだか遠回りなルートが必要だったのだ。 そんなこんなで、親切な人たちに助けられてなんとか旅を続けるのだけど、特にドイツ人の女性が印象的。果たして、もし私が同じ立場だったら、相手がユダヤ人とわかっていて、絶対にドイツには足を踏み入れたくないと言っているのに「私はドイツ人なの」と言う勇気はあるだろうか? ラスト、秀逸な邦題だなと思いました。
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