
ジュネ
9 years ago

Cannibal
Avg 2.9
公開された本国スペインでは絶賛を浴びた、カニバリズム趣向の男が本当の恋に落ちる様子を極めて淡々と綴ったサスペンス。 「淡々と」と言うのが本作の持ち味であり、私的には非常に弱く感じられた点です。何しろ劇中では主人公のカルロスが高給取りの仕立屋として何不自由ない生活を送っており、食人鬼にはとても見えない紳士なのです。女性を拉致するシーンは出てくるものの、残虐な殺戮や解体は絵的に演出されないばかりか、食べている肉はどう見ても普通の豚ロース。 こうなると何故わざわざカニバリズムをテーマとして選んだのかがまるでわからなくなってきます。加えて更に不可解なのが、そんな奇人変人の類いであるカルロスがニーナを意中の人に見初める理由です。ニーナは確かに幸薄い美人といった感じで良き妻になってくれそうですが、カルロスにとって何がそこまで魅力的に映ったのか。 残念ながら『カニバル』は圧倒的にその描写が不足しており、説得力に欠けた凡作です。