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2005年ロンドンで起きたバス爆破事件。 事件から連絡が取れなくなった我が子を探しにロンドンに出てきた二人の出会いと別れを描いた秀作。 ♢♢♢ ガーンジー島のエリザベスは夫をフォークランド紛争で亡くし、一人で農業を営んでいる。 ロンドンの事件を知った彼女は娘のジェーンに安否の電話をするが連絡が取れず、フェリーに乗ってロンドンへ出向く。 ♢♢♢ フランスで森の管理人をしているウスマンは、アフリカにいる元妻から事件後、息子アリと連絡が取れないので探してほしいと頼まれ、やはりロンドンへ出てくる。 ♢♢♢ ウスマンはモスクのアラビア語教師から息子の写真をもらうが、その隣にはジェーンが写っていた。 訪ね人のチラシでジェーンの顔を知っていた彼は連絡先のエリザベスに電話する。 ♢♢♢ この映画の見所は、エリザベスの(アフリカ系黒人であるウスマンに対する)偏見や人種差別と、その先にあります。 娘がアラビア語を習っていたことも受け入れられないプロテスタントのエリザベス。 ウスマンもまた息子がテロに関わっていたのではないかと懸念します。 ♢♢♢ そんな二人を優しい視点で描いた本作は、イギリスの人種問題を肌で伝えてくれる素晴らしい作品でした。 ウスマン役ソティギ・クヤテの哀愁の表情の演技は秀逸で忘れられません。 ♢♢♢ ガーンジー島、フォークランド紛争についても改めて勉強させてくれました(笑)。 (2020.1.4@Amazonプライム)
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