
ばん

What She Likes...
Avg 3.7
Dec 06, 2021.
#彼女が好きなものは 「ふつう」という言葉が世の中からなくなればいいと常日頃思う私としてはズシンとくる作品。自分のことを「ふつう」ととらえている人にみて欲しい。終盤の主人公とお母さんのやりとりはエグい。教室のあのシーンもエグい。至るところにちりばめられた世間のエグいさの表現がエグい。(ちなみにめっちゃ誉めてる) ちりばめられたエグさ(無自覚な偏見。冒頭の電車のスタンダードな家族例もぞわぞわした)で耐えられなくなるところを救ってくれたのが、山田杏奈演じる紗枝の天真爛漫さと、前田旺志郎演じる亮平の無邪気さ。あの二人がいたから、最後まで観れた。 目に見ているエグさと、目に見えていないエグさと、目に見えるけどないものとされてるエグさに、真摯に向き合った作品だと思います。原作から言葉を削り、タイトルが「彼女が好きなものは」になったことも凄く意図的で、唸ります。 彼女が好きなものは で印象的な教室のシーンは主人公が飛び降りなければ、生まれなかったと思うと、そんな重たい代償が必要なのか。重すぎるよ 。 ネタバレ 教室で同性愛者について話し合うシーン。シーンとして、クラスメートはふざけてもいないし、自分の言葉で語ろうとしているが、どうしても「他人事」が際立つ良いシーン。「意見を遮るな」もでてくるしね。 ただ、ここへ来るまでに、純は深く思い悩み、アウティングまで受けている。そんな彼が飛び降りた。 飛び降りてなければ、ただ影で表でクスクス笑われて、それで終わりか、もっとえげつないいじめになって行っただろう。彼が飛び降りたことで、皆がはじめてハッとしたのだ。これは笑い話ではなく、人のかかわる大事な事柄だと。それでも思う、彼の犠牲がなければならなかったのか。人が飛び降りなきゃ、同性愛者について考えられないのかな。ふー。