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2020.08.26 <今までのノーラン監督の作品の中で一番不親切でありながら一番難しい作品> ノーラン監督は昔から、時間、空間そして観点を常にうまく使い素晴らしい作品を生み出してきた。そこで今回は<メメント>、<インセプション>、<インターステラー>という作品たちを踏み台にし次のステップに進化させた作品だった。しかし上手くいったのかと聞かれれば、自分は期待以下だったと答えるだろう。これはどこまでもノーラン監督が生み出してきた作品たちの基準で評価したものであるため決して駄作ではない。単純にこの映画は難しい。色々な象徴や複雑な内容で構成されているためこの映画は少なくとも二回は鑑賞するべきだ。<インセプション>も今作と同じくらい難しい作品なのも確かだ。だが<インセプション>はその難しい内容をたった一つのコマで直感的に理解させた作品だ。そういう点が今作にはなかった。難しく複雑な説明をずっと聞かされる感じだ。強いてこの感覚を例えるのであれば、三木孝浩監督の<ぼくは明日、昨日のきみとデートする>と非常に似ていた。 しかし全体的に期待以下だったわけでわなかった。ノーラン監督はダークナイトの時からアクションシーンはあまり得意ではないとよく評価されていたが、今回の作品からはもっと発展した姿がみることができた。ほぼCG嫌いのノーラン監督によるのCGなしのアクションシーンに驚きを隠せなかった。 また音楽の場合、ノーラン監督の作品では必ず外れてはいけないハンス・ジマーが今年公開するSF作品<デューン>の制作に励んでいるため、今回は<ブラックパンサー>で音楽を務めたルドウィグ・ゴランソンが担当した。最初ハンスとはまた違うタッチだと予想したが、今までのノーラン監督の作品ととてもマッチした壮大で圧倒的な音楽を聴かせてくれた。 評論家たちはみんな今作は失敗したと評価する。また自分も映画館を去る時、正直失望した。だがこの作品が駄作なわけではない。単純に映画が説明不足だっただけだ。だからこそ必ず二回以上観るのをおすすめする。
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