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原題は「Certain Women」。 モンタナの寂れた田舎町を舞台に4人の女性の日常を描いた物語。 とても地味だけど味わいのある作りで観て良かったと言える作品でした。 執拗な依頼者に翻弄される弁護士ローラ (ローラ・ダーン)。 家族と今一つ上手く行かないジーナ(ミッシェル・ウィリアムズ) は別荘に使いたい砂岩をもらう交渉を老人とする。 ローラもジーナも女性であることで軽く扱われている印象でした。 夜間学校の講義をするために片道4時間かけて通う疲れはてた弁護士エリザベス(クリスティン・スチュワート)。 その講義を楽しみにしているジェイミー(リリー・グラッドストーン)は普段は牧場の仕事をしている。 この4人の何てことない日常をとても丁寧に描いたシーンは観ていて心を掴みます。 特に印象的だったのは牧場の仕事をしている先住民のジェイミー。 毎日ルーティンワークを黙々とこなす彼女の背景など何もわからないけど、こうして孤独にそして真摯に生きている人の存在を強く感じました。 何気なく覗いた夜間学校の授業でエリザベスに出会い、ダイナーに案内したことがきっかけで何度か一緒に過ごす二人。 しかしいつも何も頼まないジェイミー。 ある晩、馬にエリザベスを乗せるシーンはフレアな光が効果的で、ジェイミーの誇らしい表情が良かった。 エリザベスがすぐに辞めた時に町まで行って探し出すのですが、ストーカー扱いされないか心配でした。 決して仲が良かった訳ではなく…( エリザベスはいつも疲れていたので) 二人の微妙な関係性もリアルでした。 きっとジェイミーはまた日常に戻る。 毎日馬の世話に追われ、蹄の音や厩舎の掃除の音に囲まれて、彼女の日常はそういうこと。 4人の女性の日常をこんなふうに淡々と丁寧に描いた作品は大好きです。 あとから調べたら「ウェンディ&ルーシー」の 監督でした。 あの作品もミッシェル・ウィリアムズが主演でしたが何年経っても記憶に残る作品です。 と言うことで、派手さやエンタメ要素はまったくないけど、ドンぴしゃの好みの作品でした。
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