
dreamer
4 years ago

Postmen in the Mountains
Avg 3.6
"「仕事で見つめる人間の原点」を静かに淡々と描いた中国映画の秀作「山の郵便配達」" この中国映画「山の郵便配達」は、働くことや親子の情といった、人間の原点を見つめる感動作だ。 中国の山岳地帯を舞台にした、素朴で静かな人間の営みが、現代社会の閉塞状況の中で生きる、我々の郷愁をかき立ててくれます。 1980年代の初めの中国湖南省の物語、郵便配達の父が引退することになり、子供に仕事を引き継ぐ数日間を淡々と描いています。 郵便配達といっても、思い荷物を背負って、三日がかりで山里を歩く苛酷な仕事です。初めて配達に出ようとした息子の頼りなさを見かね、父はたまらず同伴します。その道すがら、仕事に対する父の姿勢、山里の住民が父に寄せる信頼を知り、息子は次第に成長していく。 父は父で頼もしくなっていく息子の姿を、自らの人生と重ね合わせ、心の充足を覚えていく。 この映画が訴えかけるのは、親子が世界を共有し、気持ちを通わせる物語であり、損得勘定を抜きに人の役に立ちたいという仕事感だろうと思う。どちらも、時代に流され、我々の多くが心の奥にしまい込んでしまったものだ。 中国の山河を切り取った美しい映像によって、シンプルな物語の"純度"を高める一方、回想シーンの挿入やスローモーションで抑揚をつける、フォ・ジェンチイ監督は、決して素朴な物語の上にあぐらをかいていない。 最近は、人間の邪悪な部分に光を当てる映画が目立っているが、しかし、"人間の善良さ"を伝える作業の方が、遥かに難しいことだと思う。そういう意味でも、この映画を評価したいと思う。