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スタンリー・トンが監督・脚本を務めた、2020年公開のアクション・コメディ。 民間特殊護衛部隊「ヴァンガード」の最高司令官である主人公トンが依頼人とその娘を守る為にテロリストに立ち向かう姿を描いた本作は、ジャッキーの盟友でもあるスタンリー・トンが監督・脚本・製作総指揮・共同製作・アクション指導を務めており、ここまで全てを担うのは彼のキャリア上でも初めてのことだそう。これを実現出来るのはジャッキーからの厚い信頼があってこそですし、今回も彼の持ち味やテイストが存分に活かされた一作になっています。個人的に思うトン作品の傾向として「基本インパクト重視の演出と、それに合わせた強引な話運び」が挙げられると思います。これは一見マイナスなようにも思えますが(実際マイナスなんですけど)、この”軽い仕上がり”がやっぱり嫌いになれないんですよね。またアクションに関して、トン監督が手掛けたジャッキー作品では「格闘アクション」よりも「スタントアクション」の方に重きを置かれているように思います。今回はジャッキー本人による水上バイクチェイスが見どころ!しかもこのシーンの撮影中には、バイクが転覆しジャッキーが45秒もの間バイクの下敷きになるというアクシデントが発生したそう(あんた『スキップ・トレース』でも川で溺れ死にかけたのに…)。そして近年のジャッキーは若手キャストを支えるような役回りに徹しており、今回もジャッキーに負けない彼らのキレッキレのアクションが堪能出来ます。特にムチ・ミヤさんのクールでしなやかな体技はめちゃくちゃカッコ良い! ただ今回はいつも以上に要素を詰め込んだ分、突っ掛かる点も多いです。というか今回は脚本どうこうの前に、画的なチープさが比じゃないですよね。前半に予算を注ぎ込み過ぎたのか、後半からはVFXがどんどん荒くなっています。戦闘機の離陸シーンは酷過ぎますし、もっと言えば話的にもあのくだりは丸ごと要らなかったのではないかと。また最後のNGシーンを見るとわざわざ金ピカの車を実際に走らせているのに、中途半端なVFXが却ってカーチェイスの迫力を削いでるように思います。これらも全て「スタンリー・トンテイスト」だと言ってしまえばそれまでなんですけどね。ジャッキー演じる主人公に自分と同じ「トン」という名前を付けるくらいですから。ただジャッキーとの相性の良さは相変わらずで、今回もなんだかんだで満足出来ました。今なお新たな挑戦をし続けるジャッキーの姿が刻まれた本作を劇場で鑑賞出来たことが何より嬉しいです。ありがとうジャッキー!あと予告編のタイトルの出方も最高! 『カンフー・ヨガ』に続いて若干の動物虐待感が・・・
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