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ラストが全ての映画だが、そこまでの盛り上がりはかなり緩やかだ。というより、ラストにより、突然にこの映画の本当のカテゴリーが解る仕組みになっていると思う。 17歳の少年が、ヤク中の母親を失ったために、犯罪ファミリーの祖母宅に引き取られる・・というプロットから、もしやこの少年の犯罪王への成長譚か?などと思ったり、家族の犯罪に押しつぶされてヘロヘロになる若者のドラマか?などと想像したりしたのだが、全然違った。ネタバレになるから書かないが、この少年は少年なりに一芝居打つのである。 そうなると欠点も見えてくる。少年と恋人の描写があまりにあっさりしすぎだと思った。やはりここはそれを濃厚に描いておかないと、観客のセンチメントを誘発できない。そこが残念。 ただ、犯罪家族の男どものヒリヒリした緊張感と、件の少年の恋人の口を塞ぐ(文字通り)シーンの恐怖は凄い。
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