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あまり語らない分、ロマンティックじゃない分、彼女が何を考えてるのかその周辺でしっかり表現しているから、分からなくても分かる作品なんだと思う。 以下は私が注目したポイントとその具体的なシーンについて。 ①カメラワーク 家の所有権について弁護士を交えた養父との会話のシーンは何度も見たい。ベスが喋るにつれてカメラは下から撮影しどんどんベスが大きく見えるように映す。一方で養父はカメラの位置が上がっていき、まるで子供が叱られているような写りになる。そして、養父の弁護士の羨望の眼差し。このシーンがベスのチェスとどことなく重なるのもまた良い。勝ちに夢中になる余り、後々困るのも彼女らしい。 ②ベスのファッション チェスにのめり込んでいくと、ベスの服は白と黒で統一されていく。チェスにおいての先攻である黒を着ている時のベスと後攻である白を着ているときと衣装に意味を持たせているあたり、細部まで気の利いた気持ち良い作品だと思う。 ③ストーリーライン 必要な時に父親から見捨てられ、孤児になったベスだが、ラストに向かうにつれて沢山の人から期待され愛されていることを知る。 勿論このドラマを面白くしているのはファッションやカメラワークだけじゃない。ストーリーも含めて心地良く緩急がついている。暗い始まりから明るい終わり。まるでいくつかのパターンでラストを考え抜いた後のように終わり方も良い。ベスがこれからどこへ行くのかもっと見たいと思う所で終わるってのが最善のラストらしくてすばらしいと思う。
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