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ジョージ秋山原作の意図するところは全く解らないが、少なくとも映画としてのカテゴリーは、退廃的、もしくは厭世的な準ポルノ作品といったところである。 また、非常に昭和的な色合いが強い感じがする。というのは、往年の日活ロマンポルノが持っていた特徴、すなわち、一定の時間義務づけられていた性描写を除けば、一貫したテーマが浮かぶみたいな作りになっているからで、あの「ピンクのカーテン」の美保純が出ているのも、何かの因縁かと思ったりする。 テーマはおそらく、「生まれてきたことに対する救い」で、それが宗教的な意味合いを持ってしまうことに際しての痛烈な批判を含んでいると思われる(つまり、宗教では絶対に救われないどころか、その宗教関係者の姦淫により、さらに不幸が生まれる)が、そんなことはどうでも良くなる程、うらぶれた人々の群像劇となっている。 私としては、「正義(まさよし)」なる名前をもらい、父親により最初から「生まれてくる不幸」を宣言された、冷酷な眼差しの男の子・・・のその後が気になる。
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