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Izumi

Izumi

7 years ago

3.0


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Nocturnal Animals

Movies ・ 2016

Avg 3.4

恐ろしい、念入りな時間をかけた復讐の話、というふれこみだったと思うけど、私にはその恐ろしさより悲しみのほうが勝っているように見えた。こんなに君を失って悲しかったんだよと。君がしたことはこんなに暴力的で熾烈なことだったと、ただ知ってほしかったんだ、と。 たとえ彼女がそれを受け止め、傷つき、そして失ったものを取り戻そうとしても、決して一度手離したものは取り返せない。「少なくとももう僕は君の手が届くところにはいないよ」と知ることは、今度は彼女にとっての悲しみなのだ。 ファッションや色使いなどきわだってスタイリッシュだけれど、私にとってはあまりに遠い世界で響かない。近未来のように非現実的で冷たいのだ。それに比べて、過去のニューヨークのシーンのなんとあたたかなこと!雪が降っているのに!それはひとえに、そこに愛があるから。 ただただ、若きエドワード演じるジェイクの微笑みと、ラストシーンのスーザンの瞳が、悲しいくらい本当に美しかった。