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【心が宙に浮く映画】 涙腺ダム決壊シーンもありつつ、アニメの動物達とのダンスや不思議な魔法で前作通りメルヘン満載。カラフル風船で街中の人達が空に浮かんだり、見終わるともう心が軽くなるどころか宙に浮く。 ◆ アカデミー賞5部門に輝いた「メリー・ポピンズ」('64)の20年後を描いた続編。出演は「クワイエット・プレイス」のエミリー・ブラント、「キングスマン」のコリン・ファース、「マンマ・ミーア!」のメリル・ストリープの他、前作でメリーの親友バートを演じたディック・バン・ダイクも。監督は「シカゴ」のロブ・マーシャル。 ◆ バンクス家の長男マイケルは今では家庭を持つ父親となり、かつて父が働いていた銀行で臨時の仕事に就いていた。妻を亡くし、融資の返済期限切れで家まで失う大ピンチのマイケルの前に、あのメリー・ポピンズが再び舞い降りる。 ◆ 見終わると、心がどこかフワッと軽くなる映画。変わらずメルヘン満載の魔法の数々に、ホロっと泣かされる場面もあり、“上から目線”ながら人々の心をほぐして幸せ満点にしていく、メリー・ポピンズの世界観に癒される。 まずは健在のメルヘンっぷり。カバンから飛び出すカバンよりビッグな道具達や、バスタブから飛び込む魔法の世界、アニメの動物達とのミュージカルダンスまで、延々と強制的に口角が上がる笑。 “点灯人”達のダンスや、天地が逆さまのメリーのいとこ、4匹のアニメペンギン達とのコラボダンス、形が違えど前作をなぞるリスペクトぶりも前作ファンへのサービスたっぷり。今作ではアニメの世界に悪役を登場させ、子供達が実世界で悪を見破るキーにする新しい要素もあったと思う。 メリーの仕業か、カラフルな風船でカラフルな服の人達が空を飛び回るシーンはもう最高のデトックス。見ているこちらの気持ちまで宙に浮かせるような、心が本当に軽くなる、これまた映画の力をじんわり感じたシーンでした。 思わず涙腺ダムを決壊させられるシーンも。妻を亡くした事を嘆く父に、“見方を変えて”母は心の中にいると諭してしまう子供達。それもメリーの教育によるものなわけで、メルヘンだらけで少し強引に幸せのゴールに向かった前作よりも、メリーの行動に意味と説得力が加わっていたと思う。まあしかしあのシーンには相当泣かされた笑。 55年の時を経て、再出演したディック・バン・ダイクに敬意。先週予習鑑賞した元祖メリー・ポピンズから、本作の顔がしわくちゃになった彼の登場シーンになんだかタイムスリップしたというか、同じ世界観の中に同じ人間が別の顔で登場する、なんとも不思議な気分。これも映画というものの別の楽しみ方なのかも。 メルヘン満載モードで構えたけど、意外と涙もあり、新しい要素も古い要素もたくさんあって、良い意味で裏切られた映画でした!癒されたけど、最後に一点。「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」のシーンは欲しかった!!笑
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