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ヒップホップ・アーティストのRZAがタランティーノの全面バックアップのもと監督・脚本・主演・音楽を務めたアクション映画。 これはもうこのバカバカしさを受け入れるかどうかで評価が二極化する作品です。銃付きナイフを操る流れ者ラッセル・クロウや全身を真鍮化できる暴漢デイヴ・バティスタ、そして両手を切断され“アイアン・フィスト”に目覚める主人公RZAなどB級感溢れ出るキャラクターたちが多数登場するので、そういうのが好きな人にとってはたまらないテイストになっていると思います。 カンフーアクションやそれに伴うゴア描写もなかなか見応えがあるし、ルーシー・リュー、パム・グリアの出演などどことなくタランティーノ臭がするのもいい。主人公の「元黒人奴隷」という設定も『ジャンゴ 繋がれざる者』を匂わせる。 その一方でストーリーは予想通り壊滅的。RZAとイーライ・ロスが共同で製作したという脚本は、完成までに2年ほど費やしたらしいが、なんでそんなに時間かかったの?って思うほど中身がなくてペラペラ。主人公が両手を失うまでが無駄に長く、結局彼が活躍するのはホントに最後だけで、「復讐劇」としてのカタルシスはあまり得られない。この手の映画に別にストーリーの意外性とかは求めてませんが、もう少しちゃんとまとめてほしかったです。 それでも、どうせ金持ちのラッパーがノリで作ったゴミ映画だろうなと見くびっていたわりには意外と楽しめちゃった一本です。
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