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「俺たちに明日はない」や「明日に向かって撃て!」などと共に知られるアメリカンニューシネマのひとつ。 「俺たちに〜」や「明日に〜」は自由を求めるアウトローを描いた話だが、この「卒業」の主人公は進路に悩むごく普通の若者。 派手なドンパチなどはなく、アメリカンニューシネマの三大要素であるセックス・ドラッグ・暴力のうち、あるのはセックスだけ。 だが、当時の若者の葛藤などをそのままリアルに描き出しており、今観ると結構トンデモナイ話なので見応え十分。 この「卒業」というタイトルは、大学を卒業したベンとエレーヌのことではなくて、子供を卒業するまでのベンとエレーヌの過程を描いているからこのタイトルなんだと思う。時代に流されていくようなラストシーンは、なんだか切ない。 音楽やカメラワーク、そして何より監督のアドリブが効いたあのラスト数秒など、映画製作者が参考になるような部分も多く、他のアメリカンニューシネマとはまた一味違った名作のひとつである。
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