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評価は人それぞれで判断が難しい映画だと思います。 ネタバレや後日談の妙は他の方が書いてくれているので省きますが。 この映画はキリスト教への深い知識でより深い解釈が出来るそうです。 それは、いろいろな場面において示唆されています。 ①父親が寝ている場面。 これは、マンテーニャの「死せるキリスト」の構図のよう。 ②家族の食事の場面。 これはまさにキリストが弟子にパンと葡萄酒を分け与える場面そのもの。 ③父と子供達が過ごした時間が一週間であった。 聖書で創造主が世界を6日間で創り上げ7日目に休暇をとったとあり、それとかけているとみられる。 ④エンディングで流れる写真の中には一度も父親が登場しない。 これは、人が見ることが出来ない存在であるということことを意味し、父が神を表していたことを示唆しているらしい。 ⑤父が映っている写真は一枚だけあった。 これは、一度だけ神が人間の前に現れたこと(イエスのこと)を意味しているのだそう。。。 ⑥父親はなんで高圧的だったのか?最後の箱の中身は? これは、人はまだ神の望むことがわからない・理解できないことを意味しているのだそうです。 ⑦兄弟が意味するものは。 兄は親に従順な息子、弟の方は反抗的な息子でした。最後、父親は反抗的な方の息子のために命をおとします。これは、神に背いたとしてもそれでもあなたは愛されていることを表現しようとしたようです。そして、これは『聖書の放蕩息子の例え話』と『迷える羊』からきている。 イエスは亡くなったあと復活し天に昇るため、地上には遺体が残らない。父の死体が沈んでゆき手元に残らないというのは、これを意識しているようです。 とどっかで見た文をうろ覚えで書きましたが、この様な造詣が無くても、親子であっても長い期間会っていないとお互いのことなんてなかなか理解しえないし、そんな中でも不器用に心通わせようとしている登場人物に惹かれて魅力的な映画です。 ラストの儚さと共に込み上げる切なさに胸が締め付けられました。 長々となりましたが閲覧ありがとうございました(>_<)
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