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死はいずれ誰にでも必ず訪れるものだ。西部劇スターとして世界にその名を轟かせたジョン・ウェインと、本作の末期癌に侵された老ガンマンは見事なぐらいにリンクしている。突然の病による死を受け入れざるを得なかった老ガンマンの一挙一動に目が離せなくなる。これはウェインの〈遺書〉でもあるからだ。法律よりも銃の暴力こそが正義だった時代は疾うに終わりを告げているのに、その幻想にまだ惑わされている、今を生きるアメリカ人の何と多いことよ。老ガンマンの仇を討った下宿屋の息子が、銃を投げ捨てる場面が印象的であった。
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