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星ゆたか

星ゆたか

2 years ago

4.0


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Fallen Leaves

Movies ・ 2023

Avg 3.7

2024.8.26 『待ってましたぁ❗️』と世界のアキ・カウリスマキ監督ファンの賞賛の声が。 公開時にも、そして現在もあちらこちらから聴こえてくるようだ。 待望の新作。彼の作品では一番のヒット映画になっているそうで。 多分それは6年前に『引退宣言』をし。 それを撤回し再び素晴らしい映画を見せてくれ。 期待にそぐわない作品ではなかったからなので。 更に人気過熱した結果でしょうね。 「ル·アーヴルの靴みがき」(11)で移民を。 「希望のかなた」(17)は難民を描いた監督が。 本作では初期の「パラダイスの夕暮れ」(86)「真夜中の虹」(88)「マッチ工場の少女」(90)の“労働者三部作”の流れに次ぐ内容の作品になっている。 社会の厳しい現実と対面しながらも、なおかつ“幸せ🍀”を願う。 豊穣·おかしみ·哀しみ溢るる男女の恋話です。 すれ違いの古典的恋の話に。 当人達の苦悩もさる所、ラジオから絶え間なく流されるニュースに。 『ロシアの非情なウクライナ攻勢』があり。 アキ·カウリスマキ監督が何故引退宣言撤回して当作品を制作したかの意図が組みとれる。 『無意味で馬鹿げた犯罪である戦争の全てに嫌気がさし。 他人や自然といった生きるものの連帯·希望と、死んだ者への敬意などを物語にしてみた。』 『その愛や連帯、他者への敬意を思ったら、勝手に指が動いた。始めたら物語がどんどん変化していった』と監督は語る。 あのロシア·ウクライナ戦争が彼の映画の制作意欲を動かしたんでしょうね。 彼の作品初出演のアルマ·ポワステイとユッシ·ヴァタネンとランチを共にし。 『世界情勢·フィンランド森·政治·犬』などを話し、出演依頼されたとの事。 監督作品でお馴染みな“犬”は監督が冬を過ごすポルトガルで見つけた野良犬で。 “共演”場面の多いアルマは。 名前も同じ“アルマ”犬を。 『間の取り方、職業意識の高い、才能ある女優犬』と称してる。 出演者の中には過去の「街の灯り」や「希望のかなた」などに出てる。 主人公達の同僚役のヤンネ·ヒューティ、ヌップ·コイブさんらがいる。 監督の演出は『ワンシーンワンカット、リハーサル無しの一発撮りで大変緊張した』とアルマさん。 監督はデビュー作品から一緒のカメラマン。 ティモ·サルミネンと構図·アングル·照明·美学を持って応じているので。 一見ごく自然そうな場面も全て計算済みな成果の賜物との事。 シンプルで殺風景な光景の中、寡黙·無表情·笑顔のない登場人物からなる。 社会·人間の審美眼にもとずくおとぼけなセリフに、演じている俳優も、見せられてる観客も。 内心ほくそ笑む所が、アキ·カウリスマキ調として“クセ”になる人気の1つで。 とことん人物の題詩を切り詰めた代わりに。 数々流される歌曲の言葉が。 人物の内なる声·気分を表している演出もだが。 懐かしいジュークボックスやライブハウスで披露される曲の締めくくりは。 やはり、題名のフィンランド語の♪『枯葉』であることは言うまでもない。 カラオケに誘う同僚役の男女の2人。 “美声”と“年齢差”をユーモラス·シニカルに語りながら、主人公達の恋の成就を応援するが。 それぞれその2人も同じく、カップルに組み進む作劇がいかにも楽しい。 フィンラン語で『SISU』を生きぬく力、強い心を表すらしいが。 ヒロインが理不尽な職場解雇にあっても、めげず再就職先を見つけ。例え男まさりの肉体労働でも応じる姿とか。 そんな彼女と惚れ愛の関係の彼。 中々すれ違いで会えなかったが。 漸く会えても彼がアル中と知って。 『私の兄も父もお酒で命を落としたから、あなたは好きだけど認められない』と毅然と彼を“はねる”彼女の立ち振舞いは、この国の女性の強さか。 すると中々始めは、プライドから、素直に応じられなかった彼だが。 やがてこれでは駄目と。 『君との幸せの為にと断酒する』と決意した。 ここでも、さりげなく『断酒会のヒーローだ』なんて彼女にウソぶく“小笑い”を挟む。 それでも、その矢先に電車に跳ねられ意識不明の病床につく展開に。 懸命にベットの側で“声がけ”する彼女。 ここでも、どことなく映画のトーンとしては、絶望でなく希望が感じられる演出。 またこの作品。 アキ·カウリスマキ監督の映画愛が見られる所も忘れられない。 彼らの初デートの映画鑑賞作品は。 ジム·ジャームシュ監督の「デット·ドン·ダイ」というゾンビ映画。 ここでは、鑑賞後『あんなに笑った映画は初めて』と言う彼女。 けして笑う場面をとらず、〈省略、結果を感じ空想させるの〉が“カウリスマキ調”なのだ。 映画館の外枠飾りには、このたび亡くなった(2024年8月)アラン·ドロンのヒット作品(「仁義」等)。 また最後の2人の背後からの人生の前進を表す、追い撮影の場面は。 犬の名前が“チャップリン”とくれば。 もうこれはチャップリンの「モダンタイムス」(36)のラストのオマージュに他ならないか⁉️