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何と言えば良いのか、美しい土地へ招待する女性向けの旅行雑誌のグラビアみたいな感じだ。全ての所作に、カメラを向けられることを前提とした動きとセリフで、「はい、いいですよ」というカメラマンの声が聞こえてきそうだ。 しかし、ストーリーはかなり際どい。 一言でいえば、共に美しい女性二人の幼馴染が、性的には結び付くことができないので、論理的には可能な関係、すなわちそれぞれのこれまたギリシャ神話の神々のようなルックスの息子(映画では「作品」という言葉を用いている)と結ばれる。まあ、究極のレズビアン、もしくは息子たちから見れば、至高のマザコンとでも言おうか、もはや着いて行けない。 従って、本質的には、極めて倒錯的なエロ映画であるだが、底の浅い美的センスにより全体を包埋されているので、非常に白けてしまうのだ。 昭和高度成長期の「昼メロ」、もしくは「よろめきドラマ」の、現代的ファッショナブル版オーストラリア編といったところだと思う。 ナオミ・ワッツが出ているから無条件に観たのだが、ちょっとガクっとしてしまった。
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