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2003年、イラクのバクーバが舞台。 学費のために入隊した二等兵オークル(ニコラス・ホルト)は帰還したくて自ら車のドアに腕を挟み、わざと怪我を負う。 そんなオークルの目を通して描かれるイラク戦争のほんの一部の話。 (イギリス映画なんですね。) 実際に現地で2年間任務についた元兵隊の実話です。 除隊にならなかったオークルはハーパー軍曹の隊に入り、給水車で水を配る任務に。 何度も給水車に銃弾が飛び交い、現地の犠牲者も出るなか、今度は米国が壊したポンプ場の修理に向かいます。 任務には現地のイラク人も加わり、修理を加速出来るかと思えば、爆撃の情報を知り、敵地に潜入する事になります。 防弾チョッキの防護板を確認するハーパー軍曹。 隊の仲間を失ったり、重傷者を出す潜入作戦。 現地のイラク人の誰が敵か味方か、混沌する中で空しさを感じるオークル。 そして修理完成間近のポンプ場がまた爆破されるのは何とも言えない。 まさに「砂の城」で、作っても作っても壊される無情な戦争を描いています。 イラク戦争関連の映画はたくさんあるけれど、命を懸けて戦う本当の意味とは…、兵役を終えて帰還した後にも苦しむ実態など知れば知るほど何とも言えない無力感を感じます。 オークルの気持ちがどれだけ変化したかはわからないけれど、兵士一人一人の覚悟をどれだけ国が理解しているのか。 それでも兵役がある国の「仕事」として任務に就かなくてはならない現実を感じました。 ハーパー軍曹の存在が印象に残りました。 演じたローガン・マーシャル=グリーンの表情がトム・ハーディーに似てる。 そして主人公のニコラス・ホルト君。 頑固で堅い役柄が多い印象ですが、個人的にはまだまだ「アバウト・ア・ボーイ」のマーカス少年を超えられない。
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