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2020年112本目は、女性騎手として初の単独優勝を成し遂げたミシェル・ペインの実話を描く『ライド・ライク・ア・ガール』。 ------------------------------------------------------------ いやー、これはちょっと甘く見てました。今の状況下で「暴力」「社会批判」や「ヤダ味」の強い作品を見ても気分が乗らないことも多く、いつもなら面白いと感じる映画に対しても冷静な判断ができないでいたんですが、本作を見ることで一旦リフレッシュしたと言いますか。上質な家族愛を描いたドラマに心が救われた気分になりましたね。 ------------------------------------------------------------ ストーリーとしてはミシェルが栄光を手にするまでの道程をダイジェスト形式で綴っており、そこまで派手さは目立ちません。しかし10人兄弟の末っ子ながら一番気が強く、挫折を跳ね返しながら進んでいく彼女を応援したい気持ちがこみ上がります。当時のジョッキー界は典型的な男尊女卑の社会でセクハラ・パワハラやりたい放題だったわけですけど、ミシェルの勝利によって道が切り開かれたと言えるでしょう。 ------------------------------------------------------------ 何より特筆すべきは彼女の支えとなった家族の面々で、娘を愛する気持ちを素直に出すことのできない頑固親父をサム・ニールが好演。更には、ダウン症を患いながらもミシェルをサポートし続けた最愛の弟スティービーを、なんと本人が出演して演じています。演技にも全く無理がなくどこまでも自然ですし、本人役の説得力によるメリットを見事に活かしきっていますね。まさに今年の「ダークホース」と言うべき1本でした。
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