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ひょうきんな一家が次々に騒動を巻き起こすコメディで、キャッチフレーズの「三回笑って一回泣く」を言葉通り再現して見せる、実に魅力的な一作です。この三兄妹は顔を合わせれば喧嘩ばかりで、仲の良さなど端から見れば欠片も伺えないのですが、それでも最後には「ブーメランファミリー」の名の通り、いるべき場所へと帰ってくるのです。 そんなアンバランスな彼らを中心になって繋ぎ止めるのが寛大な母の愛と手料理で、劇中では何度も家族の食卓の風景が描かれます。優れた映画では食事シーンが非常に印象的に描かれ、どんな物をどんな風に食べているかを見れば、自ずとその人と成りがわかるものです。映画通にはお馴染みの「フード理論」がここまで完璧に反映された映画も珍しいのではないでしょうか。 後半、お話のベクトルは韓国映画ならではと言うべき暗いトンネルに向かって進み始めますが、その先には感涙必死の深い家族愛の物語が待ち構えています。みんな本当に自分勝手なダメ人間ばかりなんですけれど、どうしても嫌いになることができない人達です。それは彼らが人として一番大切なものが何かを良く知っているからでしょうね。
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