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dreamer

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4 years ago

4.0


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The Iron Giant

Movies ・ 1999

Avg 3.7

"アメリカの銃社会の悲劇、普遍的な戦争の悲劇に疑問を投げかけるアニメ映画の佳作 「アイアン・ジャイアント」" この映画の監督は、「Mr.インクレディブル」「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」「トゥモローランド」のブラッド・バードの作品です。 公開当時、ディズニー以外の海外アニメが日本で騒がれてヒットしたという事でも有名になった作品です。 時は1957年、米ソの冷戦時代の真っただ中のある日、メイン州の沖合に宇宙から巨大ロボットが墜落しました。 この墜落したロボットを発見した少年は、森にかくまいながら、ロボットとの友情を深めていきます。 だが、政府の捜査官に噂をかぎつけられ、軍隊が出動する事に----という物語です。 物語自体はとても単純で、テーマも明快で力強いものがあります。 ごたごたした説明部分を一切削ぎ落とし、核心部分だけを貫いた構成が、ダイレクトにそのメッセージを訴えかけてきます。 こうした構成をとれるのも、キャラクターを単純化できるアニメならではの特性があるからだと思います。 そして、少年とロボットの友情に的を絞り、しっかりと丁寧に描く事で、我々観る者の心の琴線に触れるドラマになり得ているのだと思います。 この目玉が光り、鋼鉄の塊といった巨大ロボットの風情を見る限り、このアニメは、アメリカン・コミックよりも古くからある日本のアニメの影響を感じてしまいます。 また、鉄が大好物で、生まれたての赤ん坊のように純真無垢な巨大ロボットは、愛嬌たっぷりで、実に親しみやすいキャラクターになっていると思います。 しかし、一方で、この巨大ロボットには、自分に危害を加えようとする者に対して、反撃するという恐ろしい機能がプログラムされているのです。 しかし、考えてみれば、これは人間が本来持っている暴力性と同じものである事に気づかされます。 その証拠に、巨大ロボットが自分の身を守るために戦っているように、軍隊も国家と国民の安全を守るために戦っているのです。この双方の防衛本能から来る戦闘には、悲しきかな終わりというものがありません。 悪夢のような現実を直視する事で、この「アイアン・ジャイアント」というアニメは、未だ途絶える事のないアメリカの銃社会の悲劇、普遍的な戦争の悲劇というものに疑問を投げかけているのです。 少年との心の交流を通して、この巨大ロボットは、"生と死、善と悪の概念"を学び、正義のスーパーマンとして自立するのです。 そして、最後に巨大ロボットは自らを犠牲にして社会を救う道を選ぶのですが、このクライマックスには、素直な気持ちでひたすら感動しました。 現代社会に生きる大人たちにも、また、これから未来を背負う子供たちにも是非、観て欲しいアニメ映画だと思います。